SUPER 8 & DISTRICT 9

今週末から早稲田松竹で「スーパー8」と「第9地区」が併映されるみたいです。さすが、早稲田松竹。いいセンスだなあ。二本とも大好きなSF映画。この二本って、一見、ぜんぜん違う趣の映画みたいですけど、じつは大事なところで共通しているように感じています。それは、一言でいえば「地球に対する宇宙人のベクトル」の部分。

これまでのSF映画における「宇宙人」と「地球」って、宇宙人が地球に向かってくるという関係性が圧倒的に多いと思うんですよ。それもほとんどが「侵略」目的。もちろん、スピルバーグの「未知との遭遇」や「E.T.」で描かれた宇宙人は「侵略」的じゃないですし、「ああ、そういう関係もありえるのか」という意味において、当時とても新鮮に感じたわけですが。ただ、目的が「侵略」だろうと「友好」だろうと宇宙人が地球に何らかの魅力を感じて接近してくるというベクトルは同じなんですよね。

それに対して「スーパー8」と「第9地区」で描かれる宇宙人はというと、「もしも出て行けるもんなら、こんな酷い場所からは一刻も早く立ち退きたい!」という正反対のベクトルw この設定は面白かった。余所者に対して「郷に入りたいのなら郷に従え!」という、これまでの郷慢なスタンスはもはや通用しないんですよ。「郷に入りたいわけでもないのに、郷にいざるをえない」という他者とどう関係を構築していくのか、というテーマ。「第9地区」なんて、マイク・デイヴィスの『スラムの惑星』をそのまんまSFに仕立て直しました、みたいな映画だったもんなあ(邦題は「大窮地区」でも良かったw)。

そして。。。封切館のほうではいよいよ今週末から「世界侵略:ロサンゼルス決戦」がロードショー!予告編を観るかぎり、これぞまさしく侵略型宇宙人の完成形って感じですもんね。ぜひとも「スーパー8」「第9地区」の宇宙人と見比べてみたいなあ。


スラムの惑星―都市貧困のグローバル化―

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