2013-01-01から1年間の記事一覧

今年の3冊(2013年)

毎年おなじで芸がありませんが、今年も読んだ本のメモと記憶に残った三冊を。□今年読んだ本(読んだ順番で) 『ソロモンの偽証』(1・2・3)宮部みゆき 『エクソシスト』ウィリアム・ピーター・ブラッティ 『のめりこませる技術』フランク・ローズ 『世界…

ホラーリーグ・シーズン6(碌)! この碌でもない、素晴らしき恐怖映画

幼なじみと一緒に続けているホラーリーグも今年で6シーズン目。名前は大げさですけど、一年で13本のホラー映画を観るだけのお手軽企画です。今年は相棒に待望の第一子が誕生したりと本数がなかなか捗らず、見逃した作品も多かったのですが、DVD鑑賞も含めて…

この落語家を聴いた!(2013年)

今年の落語会は10回。本当は月一回くらいは行きたいんだけどなあ。いまはこれくらいが限界だなあ。「百栄一之輔 百夜一夜落語会」@成城ホール 「子ほめ」春風亭一力 「トンビの夫婦」春風亭百栄 「短命」春風亭一之輔 「七段目」春風亭一之輔 「露出さん」…

イン・ザ・ムード、イン・ザ・ドーム

前回、スティーヴン・キングの最新刊『11/22/63』を紹介しましたが、この作品は豊穣なキング世界への入口として最適の一冊だと思います。あのタイムトンネルは作品内の過去につながっているだけでなく、じつはキングの広大な作品世界への入り口にもなってる…

過去は共鳴し、過去は谺する

スティーヴン・キングの新作『11/22/63』が発売されました。一風変わったタイトルは、ケネディ大統領がテキサス州ダラスで暗殺された日付、1963年11月22日に由来します。「過去にタイムスリップした主人公が、ケネディ暗殺を阻止すべく奮闘する」・・・白状…

読まれるのを待つ、一五〇冊の本

今年一番のオシボンである『双眼鏡からの眺め』の訳者である古屋美登里さんが、ご自身の明治大学の講義で配布している読書リストを一般公開されました。小説を中心に150冊の本がリスティングされています。英米、フランス、ロシア、その他の国々、もちろん日…

不穏な報告書

読むことで不可逆的な変化を蒙ってしまうような、そんな恐ろしい本に出会うことが時々あります。少し大げさかもしれませんが、読む前と読んだ後で、自分と世界との関係が否応なく変わってしまうような本。それも望ましからざる方向に。今回ご紹介する『ブロ…

そして僕は途方に暮れる

ここのところ『幸福の遺伝子』、『HHhH』と立て続けにメタフィクション的な作品を紹介していますが、この『ミスター・ピーナッツ』もまたメタ的な趣向を凝らした一冊です。『幸福の遺伝子』が「遺伝子」を模した小説だとすれば、『ミスター・ピーナッツ』は…

怪物の遺伝子

先日の『幸福の遺伝子』の書評において、物語の語り部である「私」と、その「私」が創造した虚構の人物たちとの緊張関係について触れました。リチャード・パワーズは、遺伝子を「書き込まれた情報/読み取られる情報」というレベルにまで抽象化することで、…

読まれるのを待つ、一冊の本

先日、翻訳ミステリー大賞シンジケートというサイトに『幸福の遺伝子』という本の書評を掲載していただきました!一流の翻訳家、編集者、書評家の皆さんが運営するサイトに載せていただけるなんて夢のよう。書評にも書きましたが、この本はいろいろな読み方…

世界のおわりの八月

「世界の滅亡(とその救済)」は、映画史のなかでも人気のあるテーマのひとつですよね。視覚効果の歴史にかぎっていえば、間違いなく最重要テーマでしょう。視覚効果好きのぼくとしては、当然、「世界の滅亡」大好き!なわけですが、今年の8月はちょっとやば…

プラハの春

ここ一年くらいのあいだにプラハを舞台にした小説が立て続けに出ました。いま、チェコ文学がホットなの? そういう事情に疎いのですが、この機に乗じてプラハ小旅行(書旅行?)を計画してみました。作者も出版社もばらばらですが、かえってプラハのいろいろ…

模様替え

一昨年、「RE:mixi」としてスタートし、その後(大方の予想どおり)すっかり放置されていたこのブログでございますが、このたびUCD-NETの傘下に入ることになりましたことをご報告させていただきます。それにともない、本日からブログのタイトルを「RE:mixi」…