この落語家を聴いた!(2013年)

今年の落語会は10回。本当は月一回くらいは行きたいんだけどなあ。いまはこれくらいが限界だなあ。

「百栄一之輔 百夜一夜落語会」@成城ホール
 「子ほめ」春風亭一力
 「トンビの夫婦」春風亭百栄
 「短命」春風亭一之輔
 「七段目」春風亭一之輔
 「露出さん」春風亭百栄

春風亭百栄 百栄の落語100+」@横浜にぎわい座 のげシャーレ
 「牛ほめ」春風亭一力
 「リアクションの家元」春風亭百栄
 「ソング・コップ」川柳つくし
 「やかん泥」春風亭百栄
 「キッス研究会」春風亭百栄

「大手町落語会」@日経ホール
 「牛ほめ」柳家おじさん
 「野ざらし三遊亭兼好
 「四段目」林家正蔵
 「お直し」笑福亭鶴瓶
 「子別れ」柳家権太楼

柳家喜多八柳家三三 冗談いっちゃいけねえ」@なかのZERO 小ホール
 「桃太郎」三遊亭わん丈
 「高砂や」柳家三三
 「寝床」柳家喜多八
 「仏の遊び」柳家喜多八
 「締め込み」柳家三三

「吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集」@鈴本演芸場
 「浮世床・本」桃月庵白酒
 「ぞめき」柳家喜多八
 「安兵衛狐」隅田川馬石
 「蔵丁稚」露の新治
 「火焔太鼓」柳家権太楼
 「らくだ」柳家さん喬

「よってたかって夏落語 昼の部」@よみうりホール
 「出来心」柳亭フラワー
 「浮世床・将棋、本」春風亭一之輔
 「首ったけ」桃月庵白酒
 「つぼ算」三遊亭兼好
 「黄金餅柳亭市馬

「雲助の弟子でござる 其の三」@深川江戸資料館 小劇場
 「無精床」三遊亭わん丈
 「犬の災難」桃月庵白酒
 「甲府い」隅田川馬石
 「鼠穴」蜃気楼龍玉

朝日名人会」@朝日ホール
 「もぐら泥」鈴々舎風車
 「万病円」桃月庵白酒
 「鰍沢五街道雲助
 「ふぐ鍋」三遊亭歌武蔵
 「浜野矩随」三遊亭円楽

瀧川鯉昇春風亭百栄 あやしいふたり」@月島社会教育会館ホール
 「饅頭怖い」瀧川鯉毛
 「馬のす」瀧川鯉昇
 「天使と悪魔」春風亭百栄
 「芝居の喧嘩」春風亭百栄
 「味噌庫」瀧川鯉昇

「こしら一之輔 ニッポンの話芸スペシャル」@成城ホール
 「宗萊の滝」立川こしら
 「尻餅」春風亭一之輔
 「薮入り」春風亭一之輔


【今年の三席】

■「仏の遊び」柳家喜多八
 喜多八師匠はご無沙汰だったのですが、久しぶりに聴いても安定の「気の滅入り」ぶり(苦笑)。喜多八師匠を聴くと、「ああ、仕事ってイヤイヤやってもいいんだなあ」って変な元気(?)をいただけます。「仏の遊び」って噺も最高で、仏像が吉原に遊びにいってモテまくるというエロチック・ファンタジー(違う?)。演者のやる気のなさと、内容のバカバカしさ。それって、ぼくが落語に求めるもの、ぜんぶ。


■「鼠穴」蜃気楼龍玉
 五街道雲助師匠のお弟子さんの会(白酒師匠、馬石師匠、龍玉師匠)で、トリを取った末弟の龍玉師匠。しきりに「やりづらい」とおっしゃっていましたが、どうしてどうして。「鼠穴」の醍醐味でもある「後味の悪さ」が滲み出ていて良かったなあ。龍玉師匠のろくでなし感というかチンピラ感が、この噺の厭味にぴったりなんだですよね(もちろん、褒めてます!)。雲助師匠の「凄み」みたいなものを引き継いでいくのは、龍玉師匠なんじゃないかなあ。
※ 残念ながら、龍玉師匠はCDもDVDもまだ出していないようです・・・


■「薮入り」春風亭一之輔
 昨年の「雛鍔」を聴いたときにも感じたのですが、一之輔師匠は子どもの出てくる落語がいいですねえ。いままさに子育てに奮闘している自身の姿が重なって、なんともいえない味が出てる。「薮入り」も、大いに笑いながらじんわり温かくなる、そんな素晴らしい一席でした。もちろん、聴いているぼく自身の子育てもそこに重なってくるわけですが。


こうやってふりかえってみると、今年の三席は笑える噺(仏の遊び)、ちょっと怖い噺(鼠穴)、ホロリとくる噺(薮入り)と、落語の幅の広さを感じさせてくれる三席になりましたね。そうえいば、今年は読書会の仲間にも落語ブームが飛び火して嬉しかったなあ。来年も、お小遣いと相談しながら、ぼちぼち聴いていきたいと思います〜